どんな時でも、
私たちを癒やしてくれる地域の自然。
その恩返しをするために
TOYOTA SOCIAL FES!!が、今年も開催されます。
楽しみながら自然を守るという想いのもと、
2012年に日本全国47都道府県で始まったこの活動。
11年間で約10.1万人もの方に参加いただきました。
みんなで地域に集まって、自分たちの手で。
さぁ、自然を守るを、一緒に楽しく。
TOYOTA SOCIAL FES!! Presents
奈良新聞社
奈良県でのTOYOTA SOCIAL FES!!は11月28日、吉野郡川上村白屋にて、生態系を守るため外来種の駆除を実施しました。快晴のもと白屋展望台に集まり、講習会のあと参加者全員で特定外来生物指定植物・ナルトサワギクの駆除を行いました。
吉野川・紀の川の最源流、水源地の村として、自然との共生に取り組んでいる川上村。かけがえのない水が作られる場所である川上村は、下流にはいつもきれいな水を流すということを村是としています。集合場所の白屋地区は水源確保・保全のため建設された大滝ダムの影響で地滑りの危険があったため住民全員が全戸移転を余儀なくされ、生まれた土地に住むことが出来なくなりました。村と民間企業が協力してこの地にあった人の暮らしの温もりを、植栽による景観づくりを通して再生するプロジェクトが「未来への風景づくり」です。
自然との共生に取り組んでいる川上村にも外来種が侵入しています。10年前に発生した紀伊半島大水害の復旧工事の際に工事車両により下流域から持ち込まれた特定外来生物指定植物・ナルトサワギクの大群落が発生しているのです。講師で森と水の源流館・企画調査班長の木村全邦さんは、アフリカ・マダガスカル島原産のこの植物が、日本で最初に発見されたのが鳴門だったという命名譚を紹介し、その毒性による放牧牛の中毒死被害や他植物の駆逐、年中花が咲きタンポポのように種を風で飛ばす繁殖力の凄まじさを説き、参加者を驚かせました。
展望台を下ってダム湖畔の道路を歩き始めた直後から、道路脇に生えているナルトサワギクの大群落との遭遇に参加者たちは驚きを隠せない様子。参加したちびっ子たちもお父さんやお母さんに手伝ってもらって、一生懸命草むしりに汗を流しました。根っこが頑固に地面に食い込み、子どもの力だけでは引き抜けないときは、お父さんやお母さんの手を借りて引き抜き、ゴミ袋に入れて回収しました。道路わきだけでも大量に採れ、崖下や崖上に繁茂した群落は危険だったので駆除を諦めました。その被害の深刻さを考えさせられた活動となりましたね。
閉会式での感想披露では「親子で環境の大事さを知ることができました」と述べる参加者も。奈良トヨペットの植田崇聖課長も「ナルトサワギクの繁殖力の凄さに驚き、環境問題の深刻さを知りました」と話しました。入場受付では、体温測定の給電用として使用していた水素で走るクルマ・MIRAIの紹介もありました。MIRAIは参加者のお父さんたちの注目をひき、試乗してみたり、トランクを開けたりと大人気。参加者の環境意識の高さが伺えた一コマもありました。
講師の木村班長は「特定外来種は来たくて日本に来たわけではありませんが、日本の自然環境に適応して、在来種を駆逐する力の強いものです。在来種は私たちと共に日本の環境に適応し、支えあってきた仲間ともいえる存在です。名前を知らないような生き物でも、どこかで人との関係性があり、消失により直接的、間接的に私たちの生活に問題を及ぼす可能性があります。だから、科学的に関係性が証明されている如何に関わらず、保全すべきと考えられています。問題となる外来種を駆除するのはこのような考えによるものです」と締め括りました。先人が多大な犠牲を払って守ってくれたこの自然環境を、今度は私たちの手で守っていきたいですね。参加してくださったみなさん、ありがとうございました!