最終レポート
伊勢湾最大級の松名瀬干潟をクリーンで豊かな海にしよう!

【生態系を守るため海岸清掃と環境学習】
松阪市の櫛田川河口に位置する松名瀬干潟は、河口・前浜・潟湖という3つの典型の干潟がそろう貴重な干潟です。豊かな生態系が築かれ、渡り鳥の飛来地でもある松名瀬干潟は「日本の重要湿地500選」にも登録されています。しかし、近年不法投棄や漂着ゴミなどにより、生物の生態系が脅かされています。TOYOTA SOCIAL FES!!では、貴重な松名瀬干潟を学び守るため、清掃と環境学習を行いました。

【干潟に希少生物が!地元中高生が説明】
雨過天晴となった10月19日、松名瀬海岸に180人が集まってくれました。家族連れや地元の企業や大学生、県職員のほか松阪市から竹上真人市長も参加。産学官民一体となり活動に取り組みました。環境学習は、三重中学・高等学校の科学技術部のメンバーが講師となり、アシハラガニやトビハゼといった希少な生物が干潟には生息していることを説明。また貝の水質浄化作用について紹介しました。清掃では海浜植物にまぎれ、プラスチックゴミやペットボトルがたくさん。参加者は季節外れの暑さも忘れゴミ拾いに精を出していました。

【人間と生き物の調和のとれた地域を目指して】
主催の朴恵淑三重大学客教授は「われわれはこの貴重な松名瀬干潟を次世代に守り残す義務がある」とし、「人間と生き物の調和のとれた地域にしていき、三重県初のラムサール条約登録を目指していきたい」と呼びかけました。初めて参加するという大学生は「ペットボトルが多いと感じました。なんで海岸にあるのというような自動車のタイヤなどのゴミもありました。ゴミが放置されていると捨ててもいいかという負の連鎖が起こるので、すべてのゴミを拾います」と話していました。

【継続した連携の取り組み広がる環境意識の輪】
昨年も会場となった松名瀬海岸での活動は、今回も多くの人や団体が参加するなど連携のとれた環境イベントへと定着してきました。海岸清掃で回収したゴミの合計は45㍑入りゴミ袋58個分でした。家族で訪れたという参加者はきれいになった海を見ながら「干潟の生物を子どもが楽しそうに観察していたのを見て、改めて自然の大切さを感じました。環境を考えるきっかけとなりました」と話してくれました。また三重中学・高等学校には、自治体などから環境イベントへの参加の依頼もあり、活動を通じ、環境意識の輪が広がっているようです。

◆主 催:三重大学北勢サテライト「SDGs研究会」、三重中学校・高等学校
◆共 催:伊勢新聞社
◆後 援:三重県、松阪市
◆協 力:三重GPN、中部電力