どんな時でも、
私たちを癒やしてくれる地域の自然。
その恩返しをするために
TOYOTA SOCIAL FES!!が、今年も開催されます。
楽しみながら自然を守るという想いのもと、
2012年に日本全国47都道府県で始まったこの活動。
11年間で約10.1万人もの方に参加いただきました。
みんなで地域に集まって、自分たちの手で。
さぁ、自然を守るを、一緒に楽しく。
TOYOTA SOCIAL FES!! Presents
愛媛新聞社
燧灘に面した西条市の河原津海岸は1日2回、潮が引くと砂や泥の平らな場所が現れる干潟になります。周辺も含め、カブトガニの繁殖地として県の天然記念物に指定されています。9月28日、環境問題などを考える「TOYOTA SOCIAL FES!!」として専門家を交えた生物観察会がありました。県内の親子連れら約100人が、海辺の生き物の生態や自然の営みを学びました。
カブトガニは2億年以上前に誕生し、今もほとんど同じ形のため「生きている化石」といわれています。かつては瀬戸内海沿岸で多く見られましたが環境の変化で減少。県のレッドデータブックでは、最も絶滅に近い絶滅危惧ⅠA類に指定されています。地元の西条市立東予郷土館では、20年前以上からカブトガニの幼生を飼育、地域の海岸に放流しており、同館の藤田宜伸学芸員は「少しずつ成果が上がっている」と言います。
生物観察会では、参加者が干潟に足を運び、スコップで穴を掘って泥の中の生物を捕まえ、配布した資料を見ながら名前を調べました。カブトガニはいませんでしたが「あ、ヤドカリだ」などとあちこちで歓声が上がりました。特定非営利活動法人 西条自然学校の山本貴仁理事長は「これはテッポウエビで、パチンと音をならす」など採集した生き物の名前を生態などの情報を添えて紹介。昔と違い二枚貝がほとんどいなかったと振り返り「海はきれいにはなったが、数を減らしている生物もおり、豊かな海とは言えない」と語りました。
さまざまな生物を捕まえましたが最後は逃がして観察会は終了。続いて藤田学芸員が東予郷土館で育てている雄と雌の成体のカブトガニを見せてくれました。「頭の一部にへこみがあったら雄、なければ雌」と見分け方などを紹介。会場の質問に答える形で「大人になるには個体差にもよるが12~13年かかる」「けんかはしない。産卵する夏場以外は多くの時間を寝て過ごす、平和な生き物」などと解説しました。最後はみんなで海岸清掃。新居浜市の金栄小学校5年、大森唯愛さんは「干潟にはいろんな生き物がいることが分かりました。ゴミをなくし、生き物が暮らしやすい海にしたいです」と話しました。
◆主 催:愛媛新聞社
◆後 援:西条市